無人の町

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拾った拳銃をまじまじと見つめる。やはりドラグーン・モデルは重量が1.8kgだけあって非常に重たい。片手で持って狙いを定めて撃つのは至難の技だろう。その上専用のグロスを塗って使わなくては引火してしまい非常に危険だ。 「・・・ねぇ、それは使えるの?」 梅村が化け物を見るような目付きで言って来た。拳銃を見るのは始めてだからだろう。 「ああ、弾は入っているようだがこのまま使うと逆に危険だ。残念だが今はこの銃を使う訳にはいかない」 「そっか。使えれば一気に戦力が上がるのに・・・」 「そうなんだけどな。持って行くにもただの荷物になるだろうし。どっかに隠しておいて必要になった時に取りに来よう」 「う~ん、分かった」 「よし、じゃあそこの草村にでも・・・」 梅村の了承も得てこの重たい拳銃を意外と目に付きにくい草村に放り込もうとした時だ。 「んっ・・・!」 ドクン・・・と拳銃を持っている手から何かが伝わって来るような感じがした。 「ん? 二宮君、どうしたの?」 「あ、いやぁ・・・何でもない!」 気持ちが悪いのでさっさと投げた。拳銃を持っている間は続いた感覚も拳銃を放した途端にその感覚は何事も無かったかの様に止まった。
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