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振り向くと、そこには俺のダチ、藤田裕也の妹、藤田杏とその友達の中村美紀がいた。二人とも同じ中学の二年生だ。
「お前達が来てるって事は・・・そろそろ二十分頃か?」
「うん。多分ね」
「・・・・・」
俺の質問に答えたのは、杏だった。美紀はボーっとしたまま動かない。
「あれ?美紀どうした?」
俺は美紀が気になり、様子を聞いた。しかし美紀はまだボーっとしている。
なので、代わりに杏が答えた。
「美紀、朝から何か変なんだよ。話し掛けてもあんまり答えないし、会話も必要最低限の事しか話さないし・・・」
「・・・まさか・・・」
俺は思った。もしかしたら美紀も俺のような症状があったのではないか・・・と。俺は案外察しがいいからな。
「美紀、朝急激に頭が痛くなったりって事はないか?」
「・・・・・」
俺の質問に対し、返事はせず、ただ黙って首を横に振るだけだ。・・・まぁ何がともあれ今は一安心だが。
「どうしたの?ニノ?」
「・・・いやぁ何でもない。美紀に関係あるかも知れなかった事だったが、違うんなら何でもないんだ」
「あっそ。じゃ、美紀、行こ」
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