死者の魂

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「電・・・流・・・?」 「・・・やはり知らぬか」 ・・・仕方ないだろ。分からないもんは分からないんだから。 呆れたような様子を見せた男は、更に、仕方無さそうな感じを見せると話し出した。 「人間の脳には記憶を司る小部屋の様な空間がある。例えばお前が藤田裕也を思い出すとしよう。するとお前の脳には藤田裕也の顔が浮かぶ。その際、小部屋には微量だが電流が流れるのだ。 俺のこの能力は電気に関する事柄ならば出来ぬ事は無いだろう。俺がお前達の考えを先読み出来るのも、お前達が何か考える度にその小部屋に電流が流れ、それを読み取れるからなのだ」 「・・・そいつは凄い・・・! でも電流の流れを読めるっつったって、電流にはパターンが在るのか?」 「ふむ・・・存在するからこそ俺の能力を用いる事が出来るのでは無いか? 因みにだが、俺の能力は活用次第では本人が気付かぬ内に使役、則ち『ブレインコントロール』をも可能だ」 「・・・っ! ふ、ふーん・・・」 「どうしたのだ?」 「いや、何でもない・・・」 ・・・何でも無い訳が無い。今、男が『ブレインコントロール』と言った時、男の目には、もう一人の男の姿が写った。勿論俺の姿では無い。 ブレインコントロール、もう一人の男・・・一体何を暗示しているのだろうか・・・。
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