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杏は俺が「関係ない」と言った事に対してか、話しを終わらせると美紀を連れてさっさと歩いて行った。
「・・・まぁいいや。どうせだ、学校はすぐそこだし、少しでも一緒に行こうか」
俺は少し前を歩いている二人に声を掛けた。杏は「別にいいよ」と返事を返す。
「お、よし」
杏からOKの返事が出ると俺は少し早足で二人へ近付いた。その途中、美紀が杏に何か耳打ちしたようだが、杏は「別にいいじゃん!どうせあいつなんだし!」と美紀に言っていた。
・・・何の事だろうか?
「ああそうだ、杏、今日藤田は?」
俺は何故このような質問をしたかと言うと、藤田は余り学校には来ないのだ。特にイジメとか受けてる訳でもないのに・・・。唯一来るとしたら、あいつの得意科目の『体育』がある日くらいだ。
「え?ウチも藤田だけど?」
杏は予想外の返事を返して来た。・・・俺の質問がおかしいというのもあったかも知れないが。
「あ、いや、それは分かってるさ。裕也はどうしてるかと聞いているんだ、俺は!」
俺が少し怒鳴ると杏はごめんごめんと笑いながら謝ったあと、言った。
「裕也は今日は・・・まだ起きてないよ。ウチらが早過ぎるんだから」
「あぁ、そっか・・・」
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