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「うぅ・・・」
ふと目が覚めた。
俺は確か・・・男に体を奪われて、そしたら急に眠くなって・・・。
あれこれ考えながら、何故か倒れている体を起こす。
「いっ・・・」
その際激痛が電流の様に体内を駆け巡った。負けじと、途中まで起こした体を一気に起こす。
そして辺りを見渡した。
「場所は変わらないか・・・」
どうやら良くある『気絶している間に何者かによってどこかに運ばれている』というパターンでは無いようだ。それに気絶している梅村の姿もある。
「取り敢えず誰も欠けちゃいないみたいだな・・・良かった」
ふぅっ・・・と、溜め息を吐く。
それにしても、あの男は一体何だったのだろうか。瞳の中から俺に語りかけて来た。どう考えても有り得ない。
「フン、今のこの状況下において俺の存在を『考えられない』と表すか。考えられない存在は奴らも同じではないのか?」
「何・・・」
心に響くような声。奴だ。あの男が現れやがった。しかも俺の心を読みながら。
だが姿は見えない。一体どこにいるんだ?
「・・・お前の眼球は装飾なのか?」
今度はさっきよりもはっきりと、その上その声はもの凄い近くで聞こえた。
声のする方向は丁度斜め右辺りだ。そこは気絶した梅村がいる位置。
ゆっくりとそこへ振り向く。
「ふむ、この女・・・中々面白いぞ」
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