死者の魂

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それは当然『何故今は洗脳されていないのか?』という事だ。 洗脳するならば、常時洗脳状態にしておけば、一々洗脳し直す必要は無いし、その状態が一定のラインを保って続いてれば、この男が自ら洗脳を解く事は出来ないだろう。 所詮推測にしか過ぎない。しかし、やはり気になって仕方が無いのだ。 しかし聞くに聞けない。何故なら、さっきこの男は他者の言う『ブレインコントロール』という言葉に反応し、俺に語り掛けて来たからだ。下手に言えば次は何が起こるか分からないな。 出来ればこの男が読心していればいいが・・・。 「おい、今の状態で読心術は使えるのか?」 この男の今の体は、仮にも梅村の体だ。能力は使えないかも知れない。 「ふむ・・・俺も先刻よりそれを試みてはいるのだが、どうやら不可能の様だな。しかし、他の能力の使用ならば可能かも知れぬ」 「思った通りだ・・・。 でも他の能力についてはちょっと驚きだったかな。だが『知れぬ』とはどういう事だ?」 知れぬ、という事はまだ試してないという事なんだろうか。 「お前は俺の他の能力、並びに俺が読心術が使用可能なその理由は知っているな?」 「ああ。聞いたさ、お前が体を乗っ取られてる時にな」
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