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流石にいい加減、“能力”使うのにも慣れた。
初めて“能力”を使えたのは10歳の時だったか……、いや片鱗だけならもっと前から使っていた。
(当時は、ただのゴムボールを消すだけで何分もかかってたっけ?)
僕は開いた両手をじっと見つめ、今更ながら自分の成長を実感した。
僕の能力、『目視したモノを消去する』能力はおそらく完全にマスターした。
一度目で形状や大きさ、色等を確認し、脳内でそれをイメージ。それらを条件として“能力”は発動される。
“能力”が発動すると、イメージされたモノはこの世から完全に消え去る。
破壊や分解では無い、完全に何も残さず“消し去る”のだ。
その条件、イメージする事は、聞いてみれば簡単な事のように思えるかもしれない。
しかし、これが難しい。
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