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少し、ほんの少し話をそらすが、この世界の住人は皆当たり前のように何かの能力を持っているのか?
答えはNOである。
透視やイリュージョンは手品だし、気功だの占いだのは胡散臭い。
つまり、僕の能力は科学では解明など出来ないし、少なくとも僕はこんな能力を持っている人は他には知らない。
では、何故僕は“存在を消去する”という、この世界でイレギュラーな能力を持っているのか?
答えは、父が神託を受けた10年後の出来事。
そして、僕が8歳のとある日の出来事。
『イマカラジュウネンゴ、コノウチュウヲショウキョシマスガ、アナタニ、カミニアラガウチカラヲアタエマス』
それは突然の出来事だった。
僕にも神託が下った。
神を消去せよ、という恐るべき神託が。
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