ふたりごと

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当たり前だ。 お前のことどれだけ俺は見てると思ってんだよ。 お前のことどんだけ俺は愛してると思ってんだよ。 こんなクサイこと口になんか出して言えないけど。 『あのね、お父さんとお母さん最近、喧嘩ばっかなんだ…』 「………。」 『私ね、お父さんが帰って来て お母さんと二人で"おかえり"って言う瞬間がすきなんだー。』 「………。」 『もうこういう生活はなくなっちゃうのかなって思うとね…』 「…………。」 『私の命があるのは二人に愛があるからでしょ?』 「………。」 「私の命があるのは二人の愛の 証拠だよね?」 「………。」 『二人にもう愛はないって言うなら、もう私の命は全部嘘になっちゃうね…』 そう言うとあいつは泣き出した。 俺は本当にどうしようもない人間だから、 「大丈夫…。まだ決まったわけ じゃねえだろ?」 安心させてあげられるような言葉 一つもかけてやれなくて ただあいつの小さな体を強く抱きしめて「大丈夫。」 と言ってやることしかできなかったんだ…。
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