0人が本棚に入れています
本棚に追加
当たり前だ。
お前のことどれだけ俺は見てると思ってんだよ。
お前のことどんだけ俺は愛してると思ってんだよ。
こんなクサイこと口になんか出して言えないけど。
『あのね、お父さんとお母さん最近、喧嘩ばっかなんだ…』
「………。」
『私ね、お父さんが帰って来て
お母さんと二人で"おかえり"って言う瞬間がすきなんだー。』
「………。」
『もうこういう生活はなくなっちゃうのかなって思うとね…』
「…………。」
『私の命があるのは二人に愛があるからでしょ?』
「………。」
「私の命があるのは二人の愛の
証拠だよね?」
「………。」
『二人にもう愛はないって言うなら、もう私の命は全部嘘になっちゃうね…』
そう言うとあいつは泣き出した。
俺は本当にどうしようもない人間だから、
「大丈夫…。まだ決まったわけ
じゃねえだろ?」
安心させてあげられるような言葉
一つもかけてやれなくて
ただあいつの小さな体を強く抱きしめて「大丈夫。」
と言ってやることしかできなかったんだ…。
最初のコメントを投稿しよう!