本当のラストシーン

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   *  *  *  *  * 一瞬、痛みに顔が歪んで、だけど目の前の伊織に笑顔を向ければ。 その唇が赤く艶やかに濡れていて、痛む腰に直に響いた。 それをねじ伏せて笑顔を向ける。 「おはよう。」 朝でもないのに、わざと呟けば。 「王子様のキスで目覚めた王子様は、ずっと傍にいると誓って幸せに暮らしましたとさ。」 「何……だよ。聞いてたのか?」 恥ずかしいだろって笑えば、ウインクして伊織が言葉を繋げる。 「超可愛い王子様が、記憶を目覚めさせるためにキスしてくれただろ?それなのに思い出さなかったら失礼だろうが。」 おまじないが効くのに、ちょっとタイムラグがあったけどな、と笑った。 .
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