ＧＲＡＹ

ＯＮＥ

｢―――…うまっ｣

結局、作ってしまった野菜炒めと卵焼き。

｢大袈裟…｣

｢本当、うまいって！―――…ほらっ｣

箸で摘まれた野菜炒めが、僕の口元に突き出された。

｢何｣

｢え、あーんって…｣

｢……………バカなの？｣

そんなこといいながから、ソレを口に入れてしまう僕はもっと馬鹿なのかも知れない。

◇◇◇◇◇

久しぶりのまともな食事に腹をさすって、ふっと時計を見ると１時すぎ。

今から何するかな‐…

久しぶりに、図書館にでも行こう

ついでに夕飯の買い物でもして…

｢おい、ソウ…｣

―――寝てる

そりゃあもう、ぐうぐうと。

涎…ソファーに垂らしたら、柱に縛り付けてやる。

｢………行ってきます。｣

本当に久しぶりのソレは、何故か心地よかった。

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