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「お前は、12月24日に死ぬ」
「……それは聞いた。」
「で、死ぬッて言ってもいろんな死にかたがあるんだけど…」
死にかた…
事故死、溺死、圧迫死、転落死、病死…
こんなのか?
「……オレは、お前が思い残して死なないよーに見守り、きちんと成仏できるよう…」
「それ、誰の受け売りだ?」
「………天界長の…」
やっぱりな。
「とにかく!お前が成仏することがオレのもくひょ…」
「まだ、死んですらないし…。人の運命なんて変わるんだから、当てにしたら馬鹿みるよ?」
「………ッ!!」
そうだ…
人の生死なんて偶然
1分、1秒…
それが違っただけでも、全然違う結果になったり。
「………葎?」
「なに」
「未練が残った魂は、人間界に残りやすい。……今のうちに、やりたいことやって…」
「ない。」
「は…?」
「未練なんてない。今すぐ殺してくれたっていい」
「………葎」
そんな顔したって…
生きることに執着するほど、僕はこの世界が好きじゃない。
「それは無理だ。お前の魂を狩るのはオレじゃない。悪魔。」
悪魔?
「悪魔が魂を狩り、白色が運ぶ。灰色は…手助けすることしかできない。」
そういった、ソウの表情は
とても 悲しそうだった。
天使が二種類いることも初耳なのに、新しくいろんな情報が入ってきて…
本当に現実かと疑いたくなる。
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