どうか 君と

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心の中がほくほくと温かくなっていくような気がした。 本当は寂しかったのだ。 瀬奈に祝ってもらいたかった。 できれば一番に逢いに来てほしかった。 まぁ別に怒るつもりはない。 忘れてたんじゃないし。 元から俺は誕生日とかそういったイベントを重視する奴じゃなかった。 瀬奈と付き合ってからだ。 誕生日を祝ってやりたい、祝ってほしいと思うようになったのは。 寂しいなんて恵まれてる証拠だ。 文句を言うつもりもないし(さっきまでのことは置いといて)、こうして祝ってもらえた。 俺はベッドに腰掛け、細い体を引き寄せた。 「サンキュ。嬉しい」 少し横を向いて、瀬奈の米髪の辺りに軽く唇を押し当てる。 普段ならば恥ずかしがって嫌がる瀬奈も、今日ばかりは抵抗せずにおずおずと俺の背中に手を置いた。 顔は真っ赤だったが。 (幸せってこういうことかな…) 柄にもなくそんなことを考えていた。 思うだけなら自由だ(絶対口にはしないだろうよ)。 ふと、思いつく。 「ねぇ、瀬奈」 腕を緩めて、お互いの顔が見れるくらいに体を離した。 .
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