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水平線をしばし眺めた後、何かを決意してその場から立ち上がった。
その〝何か〟が何だったのか、その時の僕ならきっと迷わずに答えることが出来ただろう。
だが、その時の僕は、また自嘲気味に笑いながら、自分の右手を開いて眺めるだけだった。
そして少しの間そうした後、僕は真っ直ぐ前を見て、冷たい風を顔に受けた。
水平線は、先程よりも少し低いところに位置している。
僕はもう一度右手に視線を向けた後、その手を柔らかく握り、ポケットに突っ込んだ。
そしてそのままの体勢で、僕は足を一歩前へ出した。
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