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  ――ミーン ミンミン ミーン ミンミン セミの鳴き声が耳につく8月の上旬。俺は父からある報告をされた。 「よく聞け―…、仕事の都合で引越しする事になった」 ――は? 正直、親の仕事の都合で引越しする奴なんてほとんどいないと思っていた。 まさか、自分がその立場になるなんて思ってもいなかった。 もうここから、俺の運命は変わっていたのかもしれない。 「千秋? お前には自分で決めてもらいたい―…。俺の仕事の都合で今の学校と離れるの嫌だろ?」 「……ま、まぁ」 「なら、自分で決めろ。夏休みの間に引越しをすべて完了させたいから返事はなるべく早くしてほしい」
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