587人が本棚に入れています
本棚に追加
「…マスターが、買イたケレば…、“KAITO”ヲ…インスとーる
…したければ…、…新しイ“KAITO”ヲ…お願イ…します、ね…。……け、ド……」
つぅ…と、止まっていた涙がKAITOの頬を伝った。
「………俺の、コト……少し、ダケデも…覚えテイテ…くだ、さい…。忘れ、ナイで…くだ、サイ…。」
KAITOの余りに穏やかな表情に言葉が出ない…。
「俺ハ…消えテ、シマい…マス、けど……ますた…の、中で…ずっと、生きて……マス…」
“声”が、“音”に変わっていく…
「思イ、ダシテ…くれる…たび、ニ……俺ハ…マスターの中で…笑っテ…『ますたー』って、呼びマす…。ズット、ソバに…います……」
言葉が出ない…。
喉で詰まって…KAITOに言ってやりたいすべての言葉がせき止められて…
KAITOはすべてを諭したように微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!