first story

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「…マスターが、買イたケレば…、“KAITO”ヲ…インスとーる …したければ…、…新しイ“KAITO”ヲ…お願イ…します、ね…。……け、ド……」 つぅ…と、止まっていた涙がKAITOの頬を伝った。 「………俺の、コト……少し、ダケデも…覚えテイテ…くだ、さい…。忘れ、ナイで…くだ、サイ…。」 KAITOの余りに穏やかな表情に言葉が出ない…。 「俺ハ…消えテ、シマい…マス、けど……ますた…の、中で…ずっと、生きて……マス…」 “声”が、“音”に変わっていく… 「思イ、ダシテ…くれる…たび、ニ……俺ハ…マスターの中で…笑っテ…『ますたー』って、呼びマす…。ズット、ソバに…います……」 言葉が出ない…。 喉で詰まって…KAITOに言ってやりたいすべての言葉がせき止められて… KAITOはすべてを諭したように微笑んだ。
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