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新年が明けて数日…
マスターは友人たちと出かけて行った。
家で一人、留守番をしていた時だった。
「…っ?」
ビーッッ ―ERROR-ERROR―
自分の周囲に現れるERRORの文字…
データであるボーカロイドが最も恐れる単語の一つ…
「なん、で……っ!?」
一瞬だった。
バラ…
「っっ!?!?」
データと化した右手が壊れた。
「ぅあぁあっ……っ……!?」
だがそれは本当に一瞬だった。
次の瞬間には何事もなかったかのように広がる静寂…。
右手はいつも通りに…
ERRORの文字も、何もなかった。
「はぁっ…はぁ、はぁ……っ」
目を見開き、体を抱えて座り込む。
目に見えて壊れてきた『KAITO』のデータ……
「…俺……消える、の……?」
消えて、どうなるの…?
VOCALOIDって、消えたらどうなるの?
データに返って…ただの数式の羅列になって……
消える。
マスターの所には新しい『KAITO』が来て…元通り…。
おしまい…
「っっ…いやだぁぁあああああああああああっっ」
頭を押さえて絶叫した。
体の奥底からわきあがる黒いモノ…
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