第三章 千年の眠り

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「猛りの神よ。朗報があるぞ」 女はパラソルを開いたまま、いきなり猛りの神と呼ばれた球体の背後(最早前か後ろかもわからないが)に現れる。 すると、今まで放っていた数々の霊気が一気に球体にくっついていく。 「むう、また小さくなってしまったか」 猛りの神はまた自分が少し小さくなった事に少し悲しそうに確認する。 「昔は、山ほどにあったというのに、今は人ほどか」 「まあ貴公がどうなろうといいのだが、天海原は死んだ」 しばらくの驚愕。雨の音だけが、この二人の世界を包む。 「なん、だと・・・?」 しばらくして、猛りの神はわなわなと震え出す。これは、怒りによるものか? それとも― 悲しみによるものか?
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