第四章 紅の闇

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―まばゆい輝きの中、少女は瞼を開く。甘い香りが少女の鼻をくすぐる。 「大丈夫。安心して寝るといい」 蒼いドレスに身を纏った、金色の髪の女が、少女を抱いて優しく言葉をかける。 少女の瞼が、安堵感とともにゆっくりと閉じられる。優しく、暖かい心地好さに抱かれながら、優しい香りに身を委ねる少女の上に、赤と青の六亡星の陣が現れる。 「―さあさ、紅の光よ、この呪わしい力を喰らうがいい」 赤い魔法陣が床の方と頭上の方を合わせるように回転する。ゆっくり、ゆっくりと回転する。
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