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「『喜びの紅い月よ、輝く星に力を与えよ』」
赤い魔法陣がより一層、強い光を放つ。
彼女の言葉が着々と少女の中から黒いもやを吸い出し始めると、少女は顔を苦痛に歪めた。
「我慢しろ。天海原」
女はなだらかな口調から強い口調に変えて、少女に何度も、何度も言い聞かせる。
頑張れ、もう少しだ、我慢しろ。そんな言葉ばかり女が言い聞かせる度に、猛りの神は心が痛む。止めるべきか、止めないべきか。この魔法が始まってからずっと考えていた。
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