第四章 紅の闇

6/36
前へ
/129ページ
次へ
猛りの神は、とある異変に気付いた。 辺りが暗い。橙色に染められた世界は、やがて、青と黒の世界へと姿を変えていた。 長い時。彼の鼻をくすぐるような木々の香り、その木々がごうっと強い風に吹かれて、ざあざあと木々の枝とこすれあって音を鳴らす。 「まだかかるのか?」 この言葉に、魔女の返事がない。いや、意識もだろうか?
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加