雷と朝

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3年間お世話になった学校をしみじみ眺めながら、校庭のゴミ箱に【卒業生】と書かれた胸に付いた白い花飾りを放り投げ、校門を抜ける。 クラスに残り友人達と談笑し、そのままパーティーに行ってもよかったが、ガムで誤魔化した口臭や、朝から鳴りっぱなしのお腹がそれを許さなかった。 この道で帰るのも今日で最後かぁ~など、どうでもいい感傷に浸っていると、朝と同じ気配を感じた。 振り返ると、気配だけでなく朝と同じ良太の笑顔がそこにはあった。 「行きも帰りもばたばたしてんな。ちっとは落ち着けよな、もう高校なんだし。」 相変わらずの発言にややうんざりしながらも、疑問を投げ掛ける。 「お前は、クラスの奴らと一緒に残らなくていいの?」 「俺はこれから、高校の準備があるから、家に帰って出発だ。」 「出発?まだ3月だぞ?それにパーティーには参加しないのか?」 「ああ、高校は全寮制だからな。なるべく早めに来てくれって言われてるんだ。だから、今日出発する。」 「え?じゃあお前とはこれで最後か?」 「いや、前に言ったがそんなに遠くは無いから、月に1度は戻ってくるよ。」 「そうか、じゃあ連絡くれよな。」 結局その後もとりとめのない話をしながら良太とは別れた。 「今生の別れって訳でもないしな・・・」 一人呟くアキラの背中は隠しようの無い寂しさが滲みでていた。
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