2人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
「また壊したのか?ハードウェアクラッシャーの異名は伊達じゃないな。」
笑いながら突っ込んでくる良太に苦笑いをしながら、アキラは心の中で自身のちょっとしたコンプレックスについて反芻する。
『こないだは、、はんだごてだろ?その前はたしか、リモコン壊したな。。。』
「はぁ・・・」
思わずこぼれた溜め息すらも見逃さず良太は突っ込んでくる。
「溜め息ついてると、だるんだるんな恰好なまんま卒業式になるぞ?」
言われてハッとし、髪型と制服を正す。
「良太とこんなくだらない会話ができるのも今日までなんだよなぁ。ちょっと寂しいな。」
ふと呟いて初めて実感する友との別れ。
「まぁ、彰とは家とかもそんなに離れてないし、いつでも会えるんじゃない?流石に通学の雑談はこれが最後だけどな。」
笑いながら言うが表情は真剣な良太。
二人は中学からの付き合いとはいえ、クラスも3年間一緒、家も近いことや何かと毛色が合うことからずっと一緒に過ごしときた。
寂しくない訳が無い。
最初のコメントを投稿しよう!