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「そーいえば、良太は高校どこなんだっけ?」
「言ってもわからないよ。うちらの地区じゃないし。」
良太は確か、かなり早い時期に高校に推薦で決まった。確かコネだか、なんだかでサラッと合格した。
一方、アキラは3年間のツケを清算すべく必死に勉強した。
必死に勉強した。
・・・ほんと必死に勉強した。
「ふ~ん。でも名前くらい教えてくれてもいんじゃね?」
当然の疑問をぶつける。
「俺もお前が本気で知りたくて、聞いてるなら教えるけど、断言してもいい。お前は今、なんとなく聞いてるだろ。絶対、今名前教えても、後でまた聞いてくる。」
相変わらず痛い所を突いてくる旧友と、最後の通学を楽しみながら二人は並んで、まだまだ花は咲きそうもない桜並木を歩きながら学校へと向かった。
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