だから世界に価値はない

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それは学園にいる生徒ひとりの言葉から広がった。 「ねぇ、知ってる?この学園にはね“魔王”がいるんだって」 誰が言ったかは最早わからず、しかしその噂は大きく、小さな学園に広まった。 この学園で言う“魔王”とは魔法使いの王のこと。 大きな魔法を使える“魔王”はこの世界と学園を創った人。 そして流れている噂は『魔王が学園にいる』と言うもの。 「んなわけでー、そねっちはどう思う?」 「うん。いたら会ってみたいね」 机を挟んで曽根川ひかると天見愛流は噂話に花を咲かせていた。 噂ごとに鈍感なひかるは大概愛流から情報を得る。 本日も例外なく、愛流が持ってきた噂で話が盛り上がる。
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