だから世界に価値はない

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愛流はいつも通り不思議な服装でにこにこと楽しそうに喋る。 一方ひかるは黙って愛流の話に相槌をうつ。 静と動が二人の関係。 そんな二人がいる学園は『魔法学校』なるもの。 この世界の創造主たる“魔王”のような魔法使いになることを夢見て学ぶ生徒が来る所。 この世界に朝や昼はなく、一日中夜。 それが“魔王”が望んだことだから。 月が満ち欠けを繰り返す。 ふと愛流が「あ」と何かを思い出したような表情を見せた。 「そういえばそねっち、今日はひかる“ちゃん”?それともひかる“くん”?」 ポンとひかるの両肩に軽く手を置いて愛流は聞いた。 肩に手を置かれたひかるは「うーん」と苦笑した。 「今日は“ちゃん”かなぁ?」 えへへ、とひかるは愛流の手に自分の手を添えて笑った。
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