だから世界に価値はない

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他の生徒も似たような理由だろう。 ただ漠然と魔法に憧れて、使えたら便利だなと。 せめて知識だけでもと言う思いでこの学園の門に足を踏み入れた。 「そうだ!!」 ふとだれかが大きな声で提案した。 ざわっとしていた教室が一斉に大きな声を出した女生徒へと意識を向ける。 女生徒はわくわくした顔を隠しきれずに言った。 「魔王探そうよ!!この学園にいるらしいんだから見つかるよ!」 なんの確信もないことだが、それでもイベントのような楽しみを与えるのには充分だった。 しん、とした教室の中、愛流が笑顔で 「だめもとだね♪」 その一言が開始の合図になった。
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