9月1日

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優「今日は竜健の家に泊まることになった……」 直人から来たメールを朗読する。 パタン、と携帯を閉じてポーチにしまった。 喫茶店で頼んだアイスティーをストローで吸う。 優「今日は竜健の家に泊まるみたい」 もう、分かりやす過ぎる。 正直に言ったらいいのに……。 それに……。 優「目の前にいるのにね?」 目の前に座ってアイスコーヒーを飲んでいる竜健に話し掛けた。 竜「俺が使われてるのか?」 優「うん」 買い物に出ていたら、ついさっきバイト帰りの竜健とばったり会った。 そのついでに喫茶店に入った。 なんか乗り気じゃなかったみたいだけど……。 私は嬉しかった。 よかった……おしゃれしてて。 竜「そんなに進んでたのか……付き合ったのなんて最近だろ……」 優「期間なんて関係ないよ、大事なのはどれだけ愛し合ってるかでしょ?」 そして熱い視線を投げてみるけど、あんまり気にしてない。 ……こういうところは直人にそっくり。 人の好意に気付かない。 竜「まぁ、あの二人はお似合いだからな」 優「もっとお似合いの二人がどこかにいるかも」 例えば私達みたいな、とは声に出さない。 というか出せない。 怖いから。 竜「いるな、確かに」 優「え?」 ……気付いてくれた? 竜「達也とあの黒髪の……」 優「……七海さん?」 怒りのあまり声が震えてないかな? 笑顔のままかな? 体裁を保ちながら心の中で溜め息を吐くのだった。
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