9月1日

160/160

347人が本棚に入れています
本棚に追加
/1886ページ
縁側に並んで寝そべりながら空を見上げる。 夏の下旬に相応しい生ぬるい風が俺達をなぞった。 湊さんも隣で空を見上げていた。 なんていうか……。 湊「幸せです……」 京「あ……」 言おうと思っていたことを先に言われた。 湊「そんなことを言いそうな顔をしてましたから」 京「湊さんに隠し事、出来ませんね」 湊「京助君、癖があるから嘘ついたらすぐに分かりますよ?」 京「え、どんな?」 湊「絶対、教えません」 そこで湊さんは自信満々な顔をする。 湊「それを教えたら嘘つかれちゃいますから」 京「そうですね」 軽く笑いあいながら顔を空に向けた。 こうやってのんびりしたり くだらないことでケンカしたり 体を重ねて愛し合ったりして 最後には笑いあう。 そんな生活を続けていきたい。 湊さんはどうだろうか? 京「湊さん」 湊「なんですか?」 京「これからも一緒に幸せになりましょうね」 その時、湊さんの手を知らずのうちに握っていたことに気付く。 湊「………」 湊さんは少し驚いた後、満面の笑みで――― 湊「はい」 そう、頷いてくれた。
/1886ページ

最初のコメントを投稿しよう!

347人が本棚に入れています
本棚に追加