9月20日

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ガチャンッ 白「……!」 直「……!」 どのくらい眠ったのだろう。 いや、そんなの関係ない。 今、確かにドアの開くような物音で目が覚めた。 莉奈も同じようで耳をすましている。 佳奈『ただいまー!』 バタンッ とドアの閉まる音と共に佳奈さんの声が聞こえてきた。 帰って来たのか……! 直「ど、どうする?」 白「と、とにかく隠れて……!」 クローゼットに隠れようとした時、下から声が聞こえて来た。 佳奈『これ、莉奈と……直人君の靴だっけ……?』 どうやら俺の存在に気付かれた。 直「莉奈、隠れるのは駄目だ……!どうすればいい……!?」 白「え、えーと……」 そう言ってる間に佳奈さんが、階段を登って来る音が聞こえてくる。 白「ふ、服着て……!」 直「わ、分かった……!」 俺と莉奈は大慌てで服を着る。 その間に佳奈さんの足音は、限りなく近くなって――― コンコン ガチャ 佳奈「莉奈、ただいまー!ってあれ……?」 佳奈さんが目を丸くして見ていた。 直「こ、こんにちは佳奈さん」 白「へ、返事したら開けてって言ってるでしょー?」 間一髪、俺と莉奈は着替え終わり体裁を整えることに成功した。 白「ど、どうしたの、そんな顔して?」 佳奈「いや……てっきり二人で寝てるものだと思ってたけど……」 直「そ、そんなわけないじゃないですか……!」 白「そ、そうよお姉ちゃん……!」 佳奈「ふうん……?」 なめ回すように俺達を見た後、ベッドに目がいった。 そして顔が綻ぶ。 佳奈「ま、そういうことにしといてあげるね」 白「だから、なにもないんだって……!」 佳奈「はいはい……」 呆れた顔で部屋のドアを閉まる、と思った時――― 佳奈「今度隠すときはベッドも綺麗にしときなさいね?」 直「な……」 ベッドを見ると、異常に乱れていた。 佳奈「ベッド乱れ過ぎ、相当 激しいのね、直人君 あ、それとも莉奈が―――」 白「出てけーーーーー!!」 俺のあげた人形を佳奈さんに莉奈が投げるが、それはドアに阻まれた。 直「結局、ばれちゃったな……」 白「お母さんとお姉ちゃんになに言われるんだろ……」 溜め息を吐きながら肩を下ろした。 白「……ご飯作ったら食べる?」 直「あ、あぁ……」 なんかバタバタしちゃったけど、これはこれで俺達らしいような気がした。
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