9月20日

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放課後、生徒会室に向かった。 昼休みに会いに行かなかったのは、昼休みの時間では到底解決出来ないような気がしたからだ。 生徒会室のドアをノックして、返事を待つ。 湊「はーい、少々お待ち下さーい」 ドアの向こうから、今朝の雰囲気を感じさせない間延びした返事が帰って来た。 トタトタ歩いて来る音がして、ドアノブが捻られる。 湊「お待たせしましたー」 いつもの湊さんの笑顔だ……。 湊「あ……」 そう、思ったのもつかの間、俺を見た瞬間、顔が険しくなった。 湊「今朝の……ナンパ君……」 なんて言葉をかけられる。 京「湊さん、どういうことなんですか?」 湊「何がですか?」 冷めた目で冷めた口調で言われた。 京「なんで俺を避けるんですか?」 湊「なんでも何も……」 京「湊さんの怒ってる理由が知りたいんです」 湊「分からないんですか?」 京「分かりません……」 分からなかったし、考えても思い付かなかった。 正直に答えると、深く溜め息を吐いた。 湊「女の子は触られたら喜ぶってわけじゃな――――」 ガンッ 湊「きゃっ!?」 壁に八つ当たりすると、湊さんが声をあげて驚いた。 京「俺が言いたいのは今朝のことじゃなくて!!」 何を言ってもオウム返しで返ってきて、らちが明かない。 京「前に変なことしたかどうか分からないまま怒られても、どうしようもないんですよ!」 湊「え? 前に……?」 未だに白を切り続ける気か……? 京「それに触ったって気にも止めなかったじゃないですか!」 湊「え……?え……?」 京「……ふざけてるんですか?」 俺はこんなに真剣に聞いてるのに……。 困った顔をして逃げようとしている。 京「いい加減にしてくださいよ……」 湊「だ、だって……」 目に涙を浮かべ、今にも泣き出しそうな顔をした。 だけど悪いのはそっちだ。 湊「私……本当に何を言ってるか分からないんです……」
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