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コンビニに入ったはずなのに、見渡せば、草や色とりどりの花に囲まれていた。
「…私、死んだのかしら?」
死ぬ前に花畑と川のシーンを見るとテレビでいっていたのを思い出し、つぶやいてみた。
しかし、川もなければ、人もいない。
ただ花と草の道が続いている。その道に私がいる。
辺りをみわわすと、赤い帽子が草の間から顔をだしている。
「すみませーん」
と大声をだすと、帽子は、逃げ出した。
私は花と草の間をわけて追い掛けた。こんな訳のわからない場所に一人取り残されるよりも、逃げ出したあの帽子にこの場所を聞いたほうがいいと思ったから。
帽子は、竪穴を抜けて走っていった。
私も竪穴を抜けようとしたが小さすぎて通抜けができない。
壁をよじ登ろう上を見上げる。台になりそうなものがないかと見渡すがなにも転がってはいなかった。
私は、しかたなく、壁づたいに歩いていく。お腹はすいていたのだが、空腹感が感じられない。
歩いていくと、壁が無くなっていた。
花畑が転がる。
「あれ?」
壁に手をあてていたのに違和感無く壁は忽然となくなっていた。振り向くと道は閉ざされ、花に埋め尽くされていた。
「進むしかないってことよね?」
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