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僕の村には一台のバスがある。
始発は、有楽町。
真ん中は、霜月
終点は、松倉 。
バスには運転手がいない。
動き出すこのバスは。乗った人間が動かしている。
真ん中の区間にバス停あるが乗る人間はわずかしかいない。
道は一本道。
不思議なことにこのバスは。
いつも始発前には、バス停に鎮座している。
誰かが乗り込み、エンジン音をあげた。
今日もバスはゆっくりと動きだす。
誰が管理しているのかはしらないが。
綺麗な椅子が並ぶ。
運賃を払う箱、停車ボタンまできちんとついている。
運んでくれていた運転手が真ん中のバス停で降りてしまった。
次の発車まで、当分かかる。
僕は、運転ができない。遅刻は、日常茶飯事。先生からは、叱られないのは、なぜかわからないが、親にも報告されはしない。
鞄から本を一冊取り出して読みはじめた。
ドアは開いたまま、一人の男性が乗り込んだ。
ゆれだしたバスには、いつ乗ったのだろう、親子や女の子が座っていた。
揺られること数10分。終点、松倉に着いたので降りて学校への道を歩いていく。
ガラガラと戸を開けるが、誰も振り向きはしなかった。
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