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鉈豆塾は、1000年前の寺子屋の総領から始まり子孫受続けてきた伝統的な塾で、多くの有名校に生徒を輩出している。
「お前、携帯とかないのか?」
「持ってない。」
「電話番号とか、番地とか覚えてないか?」
「覚えてない。」
塾生なら、名簿もある連絡は、そこからしてもらえばいいかと単純に考えていた。
鉈豆塾に向かう途中、携帯の表示画面が消えた。電池切れか?しかたねぇな。
鉈豆塾に着いておばさんに子供の名を告げる。
子供は、教室に行ってもいいかと聞いてきた。
「教室になにしにいくんだい?」
「時間ないから早く早く」
おばさんは、時計をみてた。
「わかったよ。親御さんには連絡しとくから、言っといで。」
「うん。ありがとう。」
海中電灯を渡された子供は走っていく。
男も付き合ってやるかと着いていく。
明かりが見えたはずの教室にガラガラと戸を開け。入り込むが、さっきまでいた子供が持っていた海中電灯が入口に転がされていた。
声をかけたが、音も声もかえってはこなかった。
男は、なにかのいたずらかと海中電灯を照らした。
映りこんだのは、鉈豆を振り上げた男。
男は逃げ出した。
ガラガラバタンと音が遠くでなった。
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