1051人が本棚に入れています
本棚に追加
その試合から数ヵ月立ち進路を選ばなくては行けない時期を迎えた。
『俺どこ行こうかな。サッカーやれるとこ…でも迷惑かかるしな…練習でやってること試合で出来ないし』
頬杖を付きながら悩むコイツは先日の加賀葵である。
髪は赤っぽい茶色。耳には軟骨にまでピアスを開けている言わば不良??かと思えば、それ程腰パンもしていなければシャツも出してない。
そうコレはヴィジュアル系の音楽に興味があるのだ。
休みの日は、ボイトレに行ったりベースを弾いたり、組んでいるバンドでライブハウスに行ったりと相当歌もベースも上手かったのだ。
『俺…どこ行こうかな…』
サッカー部では友達なんて昔の友人以外いなかった。大事なとこで失敗ばっかりするんだから仕方はない。
『葵、お前どこ行く??』
ふと葵に近づいて来たのは小さい頃からクラブチームでやってる松本廉だった。
『バンドで行こうかなって思ってるけど』
『歌唱力もベーシストとしても才能あるしな…でもまだどっちにするか決まってないんだろ??』
『まぁね…』
本当は音楽の道に行こうと決めていた葵だったが、そこは黙っていた。
『なぁ…葵。俺の夢叶えてくれねぇか??』
『……何??』
『俺とプロ目指せ。二人ならやれる気がする。』
廉の実力は、葵と同等の全国区のFWだった。
『で……でも俺実力ねぇし』
『俺は、推薦来てるから葉瀬高に行く。サッカー名門校だ。考えといてくれ』
そう言うと廉は立ち去ったのだった。
葵は、迷っていたのだった。
進学について………
最初のコメントを投稿しよう!