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ゴールキックで試合は再スタートされることになる。
「あ、もしかして」
葵達は、決して油断していた訳ではない。ただ、頭から完全に抜けてしまっていた。ロングボール多用のチームということに。
そのボールはぐんぐん延びていく。大抵センターサークルを少し越えたところで落下してくるのがまだ延びてくる。
「どんだけむかってくんだよ」
智と鈴木が漸く落下点に到着する。
しかし、横から冬樹が手で二人を覆うようにして強引にポジションを奪うと背中を預け身動きを制限する。
「動けねぇ･･･。どけっ！」
智も抵抗を見せるが体幹を鍛えた冬樹はバランスを崩さないのだ。そして、来たボールを、胸で右に軽く落とす。
そこへ夏目が一瞬で横からかっさらう。
「ヤバイ！」
智は、冬樹の背中を思いっきり押し反動を付け追いかけると間一髪のところでスライディングし、ボールはルーズになる。
それを戒が拾うと、光輝のいる右サイドへ展開し落ち着かせる。
「なかなかいい反応するじゃねーか」
夏目が悔しそうに手を差し出す。
「そりゃ、どーも」
智も手を出すと、身体を引き起こして貰う。
「まだまだいくからな」
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