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共に立ち上がりは対応して見せたが、本番はここから。陣形が整った状態で崩せるか崩されるかが見物なのである。
「こっから、こっから集中」
葵は自分に言い聞かせると後ろをチラチラ気にする。充がマンマークしてきているのだ。その後ろのアンカーである哲も睨みを効かしていて中々動くことが出来ないのだ。
「特別扱いって訳ね。これはこれで崩す方法はあるけども。キャプテンとも色々合わせないとだし」
葵はチラッと白鳥を見ると長瀬にべったりとマークされていてとてもじゃないがボールを受けれる状況には見えなかった。
「あれは、厳しいな。掻き回していくかな」
そんなときボールは最終ラインで燈椰を軸にボールを回しながらタイミングを伺っていた。
「司令塔が抑え込まれてるね。なんかアクションしないと、じり貧になるんだけど。」
燈椰も、相手のマンマークにイライラを隠しきれない様子だった。
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