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「ここでパスをだしてもう一度貰えれば・・・」
パスを出すためにキックのモーションに入っていたが、一瞬脳裏に過る。
本能で行け・・・。
昔に立ち返れ・・・。
このままだと、現在と同じなのだ。なんの進歩もない。ここでパスが通ることで自分が戻ってくるのか。いや、違う意味をなさない。今戦うべきは敵より先に自分。
「甘えてんじゃねェェ!」
自分に言い聞かせるとパスをしようとした体勢からキックフェイントを入れる。長瀬は間違いなくパスだと思っていた為足が完全に伸びきっている。
そこの足の隙間を白鳥は見逃さない。ボールをそこに通せば、長瀬を置き去りにする。
「やりおったか!」
丹波が声を荒げベンチから立ち上がる。
「立ち返ったか!いやまだあんなもんじゃないわい!」
全盛期にはまだまだ遠いがガサツな白鳥が帰ってこようとしていた。
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