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スローインに設楽が向かう途中葵もするするっとボールを迎えにいく瞬間に白鳥がコソッと葵に耳打ちする。
「ポジションチェンジ交えようか」
その発言に葵は待ってましたと言わんばかりに頷く。縦に幅を出してもそろそろ振り切れない。っとなれば横に変化をつけるしかないのだ。
そんな中スタンドでは色々な人がこの試合の批評をしていた。
「葵君と、明希様全然目立たないねー。でもでも、廉くんと亮平君がイケメンすぎない?智ちゃんと燈椰君は可愛いよねー」
っと周りは顔ばかりで全然何も見ていない。応援しているのは、吹奏楽部とチアガールの方々だけだった。
「可愛いとかいってる場合かよ。葵があんなに足削られてイライラしてるってのに。試合も守備重視のチーム相手に完全に抑え込まられてる形じゃん。」
由菜が、イライラしてる中別の場所では彼等がまた見に来ていた。
「あかんなー。葵が2枚つかれて牙抜かれてもてるわ」
この関西弁は勿論噂の彼等だろう。
「白鳥も本気出したん一瞬やったしな。まぁ、何かトラウマあんねやろうけど長瀬や夏目がこの試合だまってへんやろ。」
この二人は、やはり水森と有村なのだ。
「せやな。黙ってへんわな。仲ええしなー。それに冬樹が戻ってきとる。長瀬も本格的に顔出してきよるよ」
有村が言うと、水森は楽しそうに笑うのだった。
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