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「ここでボールを止めんなよ。お前やったら見えてんちゃうか」
有村がスタンドから見守る。期待しているのだ。ずっと一緒に司令塔をしてきた仲間だから。
「立ち直るか見届けなあかんな。同じ世代の同じポジションの選手として」
水森も同じく期待を込めてスタンドから前のめりになりながら見ている。
ボールは白鳥の元へ転がって来ると白鳥は鋭いグラウンダーのパスを桜庭と右バックの間に通しにいく。
「見えてやがった！そこしかねぇよな」
有村は嬉しそうに笑うのだった。
「キーパー！」
桜庭が、届かないと判断すれば直ぐ様指示をだす。
廉が、突っ込んでいくが、ギリギリのとこでゴールキーパーに阻まれタッチラインを割ってしまう。
「チッ･･･。」
廉も悔しそうに天を仰ぐ。
やはり攻撃にリズムが生まれない。崩しきれないのだ。
「キャプテンは、かなりいい感じに仕上がってる。俺が封じられてちゃ面目たたないよ」
葵は、どんどん追い込まれていた。自分のプレーが出来ずイライラしているのだった。
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