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GKの田村が壁の指示をだす｡
葵･戒･湊は壁には入らずトリックプレーに備える｡
「ひよっとしたら何かしてくるかも知れない」
葵は､チラチラと周りを見渡す｡
「その前に誰が蹴るかってことだな」
湊はキッカーを分析する｡
「キッカーは､破壊力な内海さん｡テクニックの白鳥キャプテン｡そして技量不明の左利きの設楽さん｡」
そして立ち位置は､左に白鳥｡中央に内海｡右に設楽と言った｡誰でも蹴れる位置にいる｡
「合わせるって可能性は多分0だ｡」
葵は､確実に狙ってくるとふんでいた｡
そして決心付かないまま､ホイッスルが鳴らされる｡
白鳥は､ボールを足の裏で転がす｡それを設楽が止める｡蹴るのは内海｡
「そう来たか!!」
壁はそれを見た瞬間破壊し走り出すと思いっきり飛ぶ｡
しかし壁にボールが当たることは無かった｡
だからといってボールを蹴った様子は無い｡
内海は蹴っていないのだ｡
そして時間差で左のフックにかかったボールが弧を描きゴールへ向かう｡
そう､蹴ったのは設楽｡
ボールは運悪くポストに嫌われゴールキックとなるがどうしたと言うのだ｡
「精度､かなりあったね縦にもかかってたし､やっぱり侮れないや」
葵は淡々と感想を述べる｡
一体設楽は何をしたのか｡
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