~生死~

19/31
前へ
/416ページ
次へ
「チッ…完全にコース消されてやがった」 設楽は、周りとは裏腹に悔しがっていた。 あの一瞬、白鳥から来たボールを一度は止めた。 それは間違いない。 そして内海は、それを跨ぐ。 その時点で廉達は蹴ったと錯覚に陥る。 しかし設楽はその後もう一度触り壁を完全にずらしてフリーの状態で狙ったのだ。 しかし、そこに葵達が立っていた。 分かっていたと言うように立っていた。 それを見て交わそうと回転をかけた結果が先程のシュートになったのだった。 「あのタイミングで飛んでこないと左利きしかいないからね」 葵と戒と湊が順にハイタッチする。 「葵・湊・戒・廉・設楽・亮平上がれ!!」 その声は、丹波のものだった。 「お前等は合格じゃ!!上がれ!!」 この紅白戦は、レギュラーを決めるための試合だったが、後半で入れ替えと言う話だっただけに残念だった。 「まぁいいか合格だしな」 素直に全員が引き下がる。その時、廉の交代で入ったのが大倉だった。 「大丈夫、陽介なら少々の粗いポストプレーでも速さでカバーしてくれるから、頑張ってみなよ」 っと葵は軽くアドバイスを入れる。 大倉は、軽く頷くと集中して試合に臨むのだった。 「シャワー浴びて戻ってこい。今日はもぉ終了じゃわい」 6人は、指示通りシャワーを浴びにいくのだった。 レギュラー枠まで残り16人。
/416ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1051人が本棚に入れています
本棚に追加