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「にしてもよ…三年の方が負けるなんてあったらどうなるんだ?」
翌々考えればそうである。
もし1年が勝ってしまったら即引退なのか?
ふと設楽が呟いた一言に亮平はゾクッとする。
「まぁ、明希が居るから大丈夫だろ。アイツは何とかするよ」
黙ったまま葵に勝ち逃げされて少し気が立ってるだろうしと設楽が付け足す。
「そうじゃないと…俺は廉の為の司令塔だからね」
「俺じゃ役不足ってわけね」
あからさまに拗ねる亮平。それを見て葵は訂正する。
「廉が俺をサッカーに呼び戻してくれたからね。一度は絶たれた夢をまた繋いでくれた」
葵は、「だから役不足とかじゃないよ」っと付け足す。
廉に孤立してパスを出すと言う意味ではない。
葵が言いたいのは自分のパスで廉の夢を叶えてあげたいのだ。
それは高校選手権を勝ち上がるということ。
そしてプロへの道を切り開く。
いや、切り開いてあげたい。
そんな思いからなるのだった。
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