蒼天の撃墜王

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黒く鋭いフォルムの機体は冬夜の心を掴んで離さず、冬夜はひたすらその雄々しい姿を眺め続けていた。 その時出会ったのが黒翼のシステムサポーターとして搭載されていた人工知能【LUIS】ルイスだった。 黒翼とルイスとの出会いを機に冬夜は変わり始めた。 自ら【兵士養成訓練校】へ志願し、入校。訓練校では武器各種の使い方、戦争に必要な知識、可変機の操縦も学んだ。 三年間の訓練を終え御剣の家に戻った冬夜を待っていたのは、何不自由ない豊かな生活。 そこに疑問を感じ得なかった。 自分がこうして何不自由ない生活をしている間にも、世界のどこかでは人が戦争によって死んでいる。 そして御剣の家は戦争を抑制出来る程の権力をもっているというのに、抑制する所か戦争を一つのビジネスとして考えている。 それが冬夜には我慢ならなかった。 自分に戦争を止める力があるなんて思い上がってはいない。 だが、弱者を理不尽な暴力から守る力はあると信じていた。 初めは可変機に乗りたいと言う不純な気持ちで訓練校に入校した冬夜だったが、訓練校で過ごした三年間は御剣 冬夜という人間を確実に大きく成長させていた。
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