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俺が質問すると、ジュンスは不安そうな顔をする。
そして、
「ユチョンは何も分かってない!僕が今ここに居るのも、僕が生きていることも、僕がヒョン達を思い出せたのもユチョンのおかげなのに…。感謝してるよ?ユチョンがいなきゃ、今の、僕はいない。ユチョンが探しに来てくれたとき本当に嬉しかった。」
泣いてるのか叫んでるのか、よく分からない程、涙を流して、ジュンスは俺を見る。
「愛する人がユチョンで良かったって思った。それに、僕が記憶を忘れる病気だと知ったときは、怖くて死にたくて…意味が分からなかった。」
俺も、急にアルツハイマーなんて言われたら気が狂う。
「でも、やっぱり一番に思い浮かんだのはユチョンで、絶対にユチョンだけは忘れたくないって思った。ユチョンを忘れるくらいなら死んだ方がマシだって思った。本気だよ?…今も思ってる。」
俺がもし、もしアルツハイマーになったら…ジュンスのこと、どう考えるんだろう。
やっぱり、最愛の人だからこそ、絶対に忘れたくないんだよな。
俺も、きっと、ジュンスと同じ考えをするだろう。
「ユチョン、分かって?…僕は、ユチョンが居なきゃジュンスになれないの。」
そんな哀しい涙を流して、俺を見ないでくれよ。
また、泣きそうになるじゃん。
「僕にとってユチョンは、外せない存在なの。体の一部なの。ユチョンが離れたら、僕は僕で居れなくなるの。お願い…、僕の側から離れないで。…消えないで。」
なんか、俺は天国にいる気分になった。なんでかは…分からない。ただ、別れも死もない天国が、急に羨ましくなった。
「離れたり、しないよ。俺にもジュンスが必要だから…」
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