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友達は少ない。広く浅くはいらないというタイプ。普段はおちゃらけていても、本当の自分を理解してくれている相手がいれば、他はいらないと考えている。その為、幼なじみ以外はほとんど話さないし、クラスメートと挨拶すらまともにしない。
校内では中庭か図書室が常駐場所。晴れた日には中庭で昼寝をするのが大好き。授業をサボっての昼寝がまた最高。教師も半分あきらめ気味なのかあまりに堂々としているせいか、中庭という校舎のあらゆる所から丸見えの場所にも関わらずそんなに注意もされない。
図書室に入り浸る理由は静かで落ち着いているから。利用者が少ないので喧騒から逃れるには最適。読書は好きじゃないし、勉強に励むわけでもない。図書室という空間を好んでいる為、何もせずに何時間もボーっと過ごす時もある。別に誰に関わるでもなく迷惑をかけているわけでもないが、他生徒はいつ何時現れるか分からない莉緒を煙たがっている。本人的には非常に心外だが莉緒の風貌、学校での態度では仕方ない。
体育に熱心になることは皆無に等しいが、運動神経はいい。持ち前のめんどくせー精神が影を潜めさえすれば、どんなスポーツも難無くこなすのにマジもったいない。
実はバスケは見るのもするのも好きなのに、練習はしたくないのでクラスマッチや試合の時しかまともにしない。
数少ない活躍を見たバスケ部にしつこく勧誘され見学に行くが、基礎練ばかりで貴重なやる気は一気に萎えた。試合オンリーならという条件をつきつけ、当然だが却下されたうえ黒髪にするように言われ逆ギレ。そんな面倒事を押しつけんなという捨て台詞を吐き、部長からバスケ部への出禁勧告を言い渡されるが、こいつの性格上自分は悪くないと本気で思っているので、上等だ馬鹿野郎ふざけんなよ、とかそんな暴言を吐いている。
こんな奴なのでどこでも避けられまくりだが、本人は何で自分がそんなにビビられているのか全く気づいていない。自分は普通に自然に振る舞っているだけだから。
他人に興味はないが、幼なじみのことは大切にしている。いつもウザイと思っているのも事実ながら、二人を傷つけたりする奴は許せない。例えば誰かが二人の陰口をたたいているのを聞いてしまうと、本気で怒る。こんなに分かりやすく大切にしているのに、それを人に指摘されるとこれもまた怒る。これはきっと照れ隠しのものだと思われる。
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一番めんどくせーのは天然なこいつ。
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