田辺晴哉(甘狼)

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身長184センチ、体重69キロ。 脱ぐとけっこうすごい。綺麗な体を維持する為に鍛えている。 以前はジムに通っていたが、主婦の視線がウザイと思っていた矢先に、田中が入会してきたのであっさり退会。自宅の一室に器具を揃えた。 努力しているところを知人に見せるなんてもってのほか。しかし休日の朝、目が覚めて隣に寝ていたはずの晴哉がいないことに気づいた愛姫が家中探し回った結果、うっかり見られてしまったことがある。見られてしまった恥ずかしさを隠す為に怒鳴りつけ、泣かせてしまったのを後悔している。 過去には女をとっかえひっかえしていた。というより、つき合うという概念を持っていなかった。関係をもった女とは、多くても三度までしか会わない。それ以上は相手が勘違いするから。好きだとか口走ってしまおうものなら、それがたとえその最中だとしても一気に萎えて、とっとと帰り支度を始める。しかしそんな扱いをされても、なぜか呼び出されるとすぐに駆けつける女が多数いた。きっと外見だけは完璧だから。 そんな男も愛姫と出会って愛を知る。 入社してきた時にはいちいちとろく仕事もできない、おまけに自分の好みとはかけ離れたおデブさんの愛姫はただ目障りな存在だったが、人一倍覚えは悪いが教えたことを素直に吸収し、何にでも一生懸命に取り組む姿勢に印象が変わった。 社用で外出していたある日、深夜になって会社に戻ると、泣きべそかきながら人差し指一本で、パソコンと格闘している愛姫を目にし、余りにひどい有り様にいらいらして、無意識のうちに取り上げ仕上げてしまう。それからは何故か放っておけず、貶しながらもついあれこれと世話をやくようになる。年齢と比例しない行動や性格に保護欲が芽生えたらしい。そんなきっかけで目が離せなくなり愛姫が他の男と談笑しているのを見て、激しく嫉妬している自分に気づいてしまう。そんなわけないと否定しつつ触れたい抱きしめたいという感情に加え、可愛いとばかり思うようになり降参。精一杯の妥協の末に告白。バカップル成立。 強引で攻撃的な性格だが、恋人に関してはそれほどでもない。未経験の愛姫に手を出して怖がらせたくないと思う反面、服を引き裂いて滅茶苦茶にしてやりたいと思うこともある。しかし無邪気な笑顔を見ていると何も知らないままでいてほしいとも。そんな狭間で揺れ動き、我慢に我慢を重ねた末に結ばれ、あまりの感動にちょっと泣いた。
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