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――お父さん、お母さん。無事でいて……!
ハァハァと切れそうになる息を抑えながら必死に走った。大好きな父と母の事で頭がいっぱいで、何も考えられない。
後ろから付いて来ていたノワールがキュィと鳴いた。
――大丈夫、きっと無事だ。
「……ありがとう、ノワール」
雪深い森を走っていると広い場所に出た。月明かりの照らす中央にいたのは――
「お父さん、お母さん……?」
召喚獣を喚んでいる、父と母の後ろ姿。敵対しているのは……?
双剣を構えた人物に見覚えは無い。まじまじと見ていると、こちらに気付いたのか目が合ったような気がした。血のように、紅い目だった。
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