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「ほう、これは綺麗な髪の毛だ」
「!」
目を離さなかった筈なのに、女性が目の前まで来てシャルの髪を一束掴んでいた。少女の驚いた様子に気付くと、女性は手を離し数歩下がる。
「これは失礼、ご挨拶が遅れました。私の事はそうですね……『バーゼル』とでも呼んでください」
そう言って深々とお辞儀をしてみせた。軽い咳払いを一つして、バーゼルは続ける。
「――お二人の事、助けたくありませんか?」
「え……?」
ようやく反応した少女に、にっこりと笑い掛けた。
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