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そう遠くない未来の話
人類の文化は思わぬ方向へ進化していた。
しかし人類自体は確実に退化していた。
自然には勝てないのだ。
外には車より速いラクダのような動物が走り回っていて、人間はそれに乗って移動している。
夜になればホタルみたいに強い光を放つ虫が、オシリを触られて光っている。
台所では
ザラザラしたひらべったい石の上に石をちょっとぶつけただけで火が現われた。
この火は水をかけるまで消えない。
数えればキリがないが、全て地球上に突如現われた動物や、物体なのだ。
人々は地球の贈り物だ。
と口々に叫び、人間の作ったものを捨て、贈り物をいただいた。
今や、電気を作って送るなどという時代遅れな施設はないし、わざわざ排気ガスをだすのろまな乗り物に乗る物好きも、いるにはいたが糾弾の末に、消え去った。
時代は究極のエコだ。
ある日。
ある一人の学者が気付いた。
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